ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・



レナの過去を知ってから数日後・・僕は朝早くの電車に
乗って地元湘南へ戻っていた・・。



久しぶりの地元の光景はどこか懐かしさもある一方
で新鮮な気持ちにさせてくれる力があった・・



朝日が昇り美しい陽の光が僕の目を刺激する・・
眠気を覚ますにはちょうど良い・・。



地元に戻る目的はただ一つ・・レナを支えられる男
になる為に以前から考えていた計画を発動するため
だ・・



僕は以前よりギャンブルだけで生きて行く事への
限界と疑問を抱えていた・・高卒で学歴も無い自分
は就職など出来る訳も無く、いつかは自分の店を
持って仕事をやりたいと漠然と思っていた・・



しかしなかなか大きい事への挑戦と言うのは臆する
もの・・僕も例外では無く禁煙で賭けない麻雀店と
言う構想は出来ていたものの、なかなか踏ん切りが
つかなかったのである・・。



しかし今回レナとの出会い、そして１人の女性を愛し
く思う気持ちが僕への一念発起を促した・・レナを
支えられる立派な男になりたいと言うただ１つの思い
で・・。



しかし１人では起業と言うのは難しい・・そこで僕は
以前お世話になっていた麻雀店の店長、英二さんに
相談を持ちかける為に移動をしていたのである・・。



この英二さんと言う人は麻雀のみならず、飲食業や
サービス業までありとあらゆる店舗を営業してきた
凄く頼りになる存在である。


更に余談だが麻雀の腕はピカ一で、麻雀ファンなら
ご存知の坊や哲でおなじみの阿佐田哲也や小島武夫
と言った麻雀新撰組の人とも若い頃からしょっちゅ
う打っていた人物でもある・・。



「おぉカイ君か、久しぶりじゃないか」


「英二さん、どうもご無沙汰しています」


「急に電話が来るからビックリしたよ、ついにお店
　を始めるのかい？？」


「ええ、ようやく資金の方が貯まりまして・・
（本当の理由は違うのだが・・）」


「そうか、どの辺でやるんだい？？」


「出来れば横浜辺りが・・とは思ってるんですが・・」


「横浜か、まぁそんな所だろうね、やっぱり賭けな
　いお店で行くのかい？」


「えぇ、僕はその方がインパクトもありますし良い
　んじゃないかと・・そこで英二さんに色々と指導
　と・・人を紹介して頂けないかと・・」


「そうだね・・とりあえず麻雀店に必要な道具は俺
　の知り合いに業者がいるから紹介しよう、それか
　ら行政書士も必要だな・・それもアテがあるから
　俺が連絡しておくよ」



「すみません・・」



「でも連絡を入れるのは物件が決まってからだがね、
　あと内装とかは・・春夫さんに頼んだらどうだい？」


「あ、まだ春夫さんいらっしゃるんですか・・？」


春夫さんとは僕と仲の良い大工さんである、久しく
会ってはいないが・・



「あぁ、だがそれも物件が決まってからだが・・もう
　少し詳しく事業計画を聞きたいね」


「あ、はい」


「じゃあまずは営業形態と時間、それからどれぐらい
　の箱でどのように利益を得るかだね」


「はい、それについては色々考えたのですが、やはり
　お昼間を・・」



・・こうして僕が現在営業している麻雀店を起業する
ための計画が始まった・・。



全ては自分と言うよりレナの為に・・



（続きは次回♪）


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